嘘をつくのは良くないけれども、時と場合によっては物事を円滑に運ぶ手段として用いることも必要ということわざ
仏道修行者や仏教信者たちは「五戒」を定め守ってきました「五戒」とは
①殺すなかれ
②盗むなかれ
③よこしまな男女関係を持つなかれ
④嘘をつくなかれ
⑤酒を飲み 酒に飲まれるなかれ
となります。この「五戒」は仏教の基本の教えであり、人として守るべき社会規範です。
この中にある嘘をつくなかれと、嘘も方便の嘘とはどう違うのでしょうか
「方便」の言語は
近づく・到達する・巧みな手立て・便宜的な手段・工夫
などを意味するサンスクリットの「ウパーヤ」で、さらに時と場合によって物事を円滑に運ぶための便宜的な手段の意味も含まれます。これが仏教に取り入れられ「方法便用・・・より良い方法をもちいて迷える人々を教え導くこと」の意味で用いられるようになり、お釈迦様の対機説法(人々の能力や素質に合わせて行う説法)となりました。
本来仏教では人々を真実に導くためにつくお釈迦様の嘘のみが善功方便として認められています。頑迷な人々のために、時にはわざと嘘をつかなければならず、その嘘をついても許されるのは真実に導く覚悟と能力を持つお釈迦さまや仏様だけとされています。